生きるためにたべよ ~ソクラテス~
人間の生きる目的は決して食べること、つまり日々の生活を維持して生命を維持していくことではなく、自らがやりたいことをやってより善く生きていくことだ。
摂食嚥下障害とは
摂食嚥下障害は、唾液や飲食物をうまく飲み込めない状態で、食べる時にむせやすい、薬をうまく飲めない、食べるのが遅くなった、食事量が減ったなどの症状があります。嚥下(飲み込むこと)は、栄養と水分という人間の生存にとって欠かせない物の補給手段であり、食事は日々の大きな楽しみです。そのため、嚥下に問題があると、お身体とお気持ちの両面に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
また、嚥下障害は誤嚥性肺炎の原因にもなっています。日本人の死因では肺炎が長く上位を占めてきています。実際に肺炎が原因で亡くなった65歳以上の高齢者を調べた結果、誤嚥性肺炎だったケースが96%にものぼると報告されています。誤嚥性肺炎は、唾や飲食物が誤って気管に入り、そこに含まれた病原体が肺に感染して起こる病気です。そのため、摂食嚥下障害の治療は、誤嚥性肺炎の予防にも大きく役立ちます。
当院の嚥下外来の特徴
当院では嚥下リハビリテーションを専門とする嚥下外来を行っております。飲み込みにくさやむせるなどの症状についてくわしくうかがった上で、診察と検査を行います。できるだけご負担の少ない検査を心がけています。
治療方針は患者さんとお話しながら決めていきます。リハビリテーションだけでなく、生活上の注意などを含め、無理のない範囲で行っていける改善方法を相談しながら決めていきます。また、食事内容、料理する時のポイント、食べる際の注意点などもわかりやすくお伝えしています。ご家族の方と一緒にご相談にいらしていただくこともできます。
内視鏡検査について
胃カメラ検査で使われているものに比べ、約半分の直径しかない耳鼻咽喉科用の電子ファイバースコープを使って検査を行っているため、お身体への負担が大幅に軽減されています。鼻から楽に挿入できるため麻酔スプレーなどの使用量も少なく、安全性が高い検査です。
内視鏡検査では、鼻からのど、のどの奥を観察し、実際の食物や水分を飲み込んでいただいてのどの動きを確認します。飲み込む状態を実際に観察できるため正確に状態を把握することができ、効果的な治療に大きく役立ちます。また、X線を使わないため放射線被曝もなく安全です。また、椅子に座ったままなど、検査に際しての姿勢に制限がほとんどなく、どんなお身体の状態でも楽な姿勢で検査を受けていただけます。
予約から受診の流れ
Step1ご予約
まずはお電話でお問い合せください。(0798-70-1010) 患者さんの氏名、性別、生年月日、住所、電話番号をおうかがいします。
また、他の医療機関を受診している場合、病名や医療機関名、状態などについてうかがいます。
その内容によって、ご紹介状をご用意いただく場合もあります。 その上で、ご予約の日時をご相談していきます。
Step2受診
ご来院時にお持ちいただくもの
- 保険証
- お薬手帳(処方されているお薬そのものをすべてお持ちいただいても大丈夫です)
- あれば、検査データやかかりつけ医の紹介状
Step3ご来院
ご予約時間の少し前にいらしていただき、受付にお声がけください。
Step4問診
既往症や服用されているお薬、嚥下に関する状態やお悩み、口から食べられるようになりたい食品などについてうかがいます。
Step5診察
医師が問診票をもとにくわしくお話をうかがっていきます。その後必要な検査についてわかりやすくご説明します。ご納得いただいたら、同意書にご記入いただきます
Step6検査
内視鏡検査を行います。
Step7リハビリテーション・ご指導
医師と共にリハビリテーションの内容や、無理のない範囲で行っていける生活上の注意や改善方法を相談しながら決めていきます。また食事内容、料理する時のポイント、食べる際の注意点などについてもわかりやすくお伝えします。