こどもの診察について
0歳児のお子様から診察しております。赤ちゃんからこどものうちは、耳、鼻、のどのトラブルをすぐにおこします。当院では、0歳児から診察できる、鼻の吸引用の管、耳処置用の器具、細径のファイバースコープなどをそろえております。こどもの間で流行する、溶連菌、インフルエンザ、アデノウイルスなどの各種迅速検査もできますので、ご相談下さい。また、ベビーカーで来院される方も、バリアフリーで診察室内に入って頂けます。お子様がいらっしゃる方も安心してお越しください。経験豊富なスタッフがお出迎え致します。
ご高齢の方の診察について
のどについて
のどは、口のすぐ奥にある咽頭、のど仏周辺にある息の通り道の喉頭に分けられます。口腔と咽頭・喉頭、鼻腔はのどの部分でつながっていて、呼吸、物を飲み込む嚥下、発声などの役割を担っています。咽頭は空気や飲食物を受け入れる部分で、上咽頭・中咽頭・下咽頭に分けられます。上咽頭は鼻呼吸、中咽頭は呼吸と嚥下、下咽頭は嚥下を行う部分です。喉頭は呼吸の空気を気管に、飲食物を食道に振り分け、発声のための声帯を備えています。
のどの症状
- のどの腫れ
- のどの痛み
- 咳
- 痰
- のどの乾燥
- のどの違和感・異物感
- 飲み込みにくさ
- 声がかすれる・出しにくい、声枯れ
- いびきをかく
- 味がしにくい
のどの検査について
電子ファイバースコープ、超音波エコー、インフルエンザ検査、アデノウイルス検査、溶連菌検査、RSウィルス検査
のどの病気
上気道炎(扁桃炎、咽頭炎、上咽頭炎、喉頭炎)
鼻から気管までの空気の通り道である、鼻・副鼻腔・口腔・上咽頭・中咽頭・下咽頭・喉頭までが上気道です。この上気道が感染して炎症を起こしたものが上気道炎です。炎症を起こしている場所によって急性鼻炎、急性咽頭炎、急性喉頭炎、扁桃炎、喉頭炎などに分けられますが、炎症が複数の場所で起こることがあります。治療では、炎症を抑えて適切な抗生剤を用い、ネブライザー治療でつらい症状を和らげます。帰宅されたら部屋の湿度を保つようにしてください。
急性扁桃炎
のどの奥の両側にある、丸くでっぱったものが口蓋扁桃です。扁桃腺が細菌感染をおこしたものが扁桃炎です。のどの痛み、悪寒、だるさ、発熱(37℃~40℃)といった症状などがあげられます。腫れ方や炎症の度合いによっては、強い痛みを感じ、嚥下(飲み込み)が困難になるので、食事が摂りにくくなります。炎症を起こすと扁桃は腫れて大きくなり、時には白い膿の塊が扁桃周囲に付着します。また、一部のウイルスでは扁桃炎とともに一時的に肝機能障害を引き起こすことがあります。
治療内容
主な治療法は薬物療法で、抗生物質や消炎鎮痛薬を内服します。また、うがい薬や、炎症をしずめるネブライザ―も有効です。のどの痛みが強く、水・食事や薬を飲みこみにくい場合には鎮痛剤(経口薬や座薬)が有効です。食事が取れない、高い熱が続いて脱水症状があるといった場合は血液検査を行ったり、点滴による治療が必要となります。(当院にて対応できない重症の場合は基幹病院をご紹介します。)
扁桃炎の症状を回復させるために、水分をたくさん取り、身体をゆっくり休めて安静を保つようこころがけてください。治りかけに自己判断でお薬をやめてしまうと、再度症状が悪化することがありますのでご注意ください。
以後お気をつけ頂きたいこと
のどの痛みが強いので、食事や水分を摂りにくいですが脱水を起こさないよう水分をしっかり摂取しなければいけません。 十分な睡眠、栄養のある食事をしっかり摂りましょう。 食事、水分がのどを通らないようなら入院が必要な場合もあり、必要に応じて病院をご紹介いたします。
扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍
扁桃炎が悪化して周囲まで炎症が広がったものが扁桃周囲炎です。扁桃の外側に膿がたまると扁桃周囲膿瘍となります。のどの強い痛みが大きな特徴で、痛みのため唾液や飲食物を飲み込むことができなくなるケースもあります。口が開けにくい、耳が痛くなるなどの症状が現れることもあります。
治療内容
重症の場合には点滴、切開などによる膿の排出、手術を検討する場合もあります。
急性咽頭炎
症状
- のどの痛み、ひりひりする
- 咳、痰がでる
- 飲み込む時に痛みがあり、痛くて食べられない
- 発熱がある
- 倦怠感(身体がだるい)
治療内容
- のどの痛み、炎症に対して、炎症を抑える薬を使用します。
- 細菌感染がある場合は、抗生剤を使用します。
- ネブライザ―
治療で炎症のおこっている咽頭に薬剤の吸入を行います。
上咽頭炎
喉の痛みからはじまりますが、慢性化すると鼻詰まりや後鼻漏などの症状が現れます。
治療内容
当院では、症状に合わせた内服薬の治療のほかにも、痛くない塩水による鼻洗浄を行っております。塩水で洗い流した後は、すっきりとし、痛みや違和感が改善します。
急性喉頭炎
細菌やウイルス感染の他、アレルギーや喫煙などによって起こることがあります。のどの痛み、咳や痰、発熱などが主な症状です。声帯の炎症が強いと声枯れや声が出にくくなる症状が現れます。こうした症状がある場合は、できるだけ声を出さないようにしてください。また、喉頭の腫れが強くなると呼吸しにくくなることもありますので、早めに受診してください。
治療内容
ウィルスが原因の場合は治療薬がないため自分の免疫力での改善を期待します。細菌感染がある場合は抗生物質を使用します。ネブライザーにより炎症を鎮めます。のどの加湿を促します。
急性喉頭蓋炎
喉頭蓋は、飲食物などを嚥下する際に気管への侵入を防ぐための蓋で、急性喉頭蓋炎では、ここに炎症が起きています。のどの痛み、発熱といった症状がありますが、声枯れ、声が出しにくい、息苦しいといった症状が現れることがあります。腫れが強くなると数時間で窒息してしまう可能性もあるため、息苦しさを感じたら速やかに受診してください。
治療内容
抗生剤やステロイドの点滴が基本的に行われますが、窒息リスクがある場合には連携している高度医療機関にご紹介し、すぐに入院治療を受けられるようにしています。
急性声門下喉頭炎
声帯の下にある粘膜が炎症を起こし、狭窄を起こしています。のどの痛み、咳、息苦しさなどの症状が現れます。息苦しさを感じたらすぐに受診するようにしましょう。
味覚障害
味覚障害は通常の味を感じることができなくなる病気です。唾液の不足、味を感じる細胞の異常、神経の異常、大脳の味覚中枢の異常などによっておこります。発症すると塩辛さや甘みが強いものを食べすぎて生活習慣病を発症したり、食事に対しての楽しみがなくなることがあります。
甘味、塩味、酸味、苦味などのうち、特定の味が感じられなくなることがあります。また、何も口の中に入れていないのに苦味や酸味を感じたり、変な味を感じるといった、本来の味とは異なった味覚として自覚することもあります。
原因として代表的なものは亜鉛不足です。亜鉛が不足すると味細胞の働きが阻害されて味覚障害がおこります。亜鉛不足が起こる状況には、食事からの亜鉛摂取が低下したときや、抗アレルギー剤、抗がん薬、抗うつ薬など多種多様な薬剤と亜鉛が相互作用を起こしたときが考えられます。また、貧血や消化器疾患などが原因となって生じることもあります。
そのほかの原因としては、風邪、舌苔、うつ病、ストレスなどが考えられます。脳梗塞や脳出血などにより脳細胞が障害を受けた場合も、味覚障害を発症することがあります。 当院では、血液検査で亜鉛の値を測定し、亜鉛不足がないかどうか調べます。
治療内容
味覚障害の治療は食事療法と薬物療法が中心となります。亜鉛不足がみられるときは、亜鉛を含んだ薬剤が処方されます。予防するためには、食事に気を配る事が大切です。牡蠣・牛肉・うなぎ・ごま・海藻・大豆・卵黄・アーモンドなど、亜鉛を多く含む食品を食べるようにしましょう。一緒にビタミンCや動物性たんぱく質を合わせてバランスよく摂取するように心がけましょう。
咳・喘息
- 副鼻腔気管支症候群:
蓄膿症に気管支炎などの病気があるもので、痰が絡みます。 マクロライド系のお薬が効きます。 - 咳喘息(せきぜんそく):咳は夜から朝に多く、風邪、運動、
タバコ、冷気などで悪化することがあります。 3割程度が喘息に進行すると言われています。 - アトピー咳そう(あとぴーがいそう):アレルギーが関係し、
のどがイガイガする咳で、気温の変化や、タバコの煙、 会話などで誘発されます。 - 逆流性食道炎:胃酸が、
食道からのどにかけて逆流することがあり、 刺激によって咳が誘発される場合があります。
治療内容
ファイバースコープや鼻のレントゲン検査、
摂食嚥下障害
飲食物をうまく飲み込めない状態が摂食嚥下障害です。食べる時にむせやすい、薬をうまく飲めない、食べるのが遅くなった、食事量が減ったなどがあったら、摂食嚥下障害の可能性があります。食事は人間にとって大事な栄養と水分の補給手段であり、日々の大きな楽しみです。摂食嚥下障害はお身体とお気持ちの健康に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。また、嚥下障害は誤嚥性肺炎の発生にも大きく関わっています。日本人の死因で肺炎が長く上位を占めていますし、肺炎が原因で亡くなる65歳以上の高齢者の96%が誤嚥性肺炎だったという報告もされています。誤嚥性肺炎の予防には、嚥下障害への対処と口腔内の清潔を保つことが不可欠です。
当院では、丁寧な問診と診察、言語聴覚士によるリハビリテーションや食事内容のご指導をしっかり行っています。
声帯ポリープ・声帯結節
大きな声を出す人やのどに負担をかけている人に多く、声帯粘膜が固く変性してできたしこりです。声帯ポリープおよび声帯結節は、主に声帯模様部中央、遊離縁の粘膜固有層浅層に限局した腫瘤性病変です。声帯ポリープは有茎性あるいは広基性で多くは一側性であり、中年のやや男性優位に好発します。声帯結節は主に広基性で、両側対称性に生じ、男児や成人女性に多くみられます。共に声の濫用が主な誘因となります。
主訴は嗄声(させい)です。
軽症例では、高音発声や、小さい声や長時間声を使う際のみ嗄声となります。
重症化すると楽な発声においても嗄声が生じます。
治療内容
薬物療法、声の衛生指導(※)、音声訓練、手術治療が選択となります。
まずは保存的治療(薬物治療、声の衛生指導、音声訓練)を行いますが、改善しない場合は手術治療を検討する必要があります。
声の衛生
声量を下げる、話す時間を短くする、咳払いは避ける、空気の汚いところで話さないなど、日常生活で発声への悪影響が小さくなるように注意します。
逆流性食道炎
強い酸性の胃酸が胃から食道にかけて逆流し、のどにまで達することがあり、のどの違和感の症状を引き起こすことがあります。胸やけがでることもありますが、何の症状もでないこともあります。食道や喉頭の粘膜は胃酸から防御する機能がないため、粘膜がただれ、胸やけや、喉頭肉芽腫という腫瘤が喉頭にできることがあります。
治療内容
胃酸をおさえる作用の薬や、消化を助ける漢方薬など症状に合わせた投薬を行っています。自覚症状がなくなっても、炎症がおさまっていないことがあります。症状が治まっていても、継続的に薬を服用していただく場合があります。